審査が甘い不動産担保ローンはある?おすすめのローンをランキング形式で紹介

審査が甘い不動産担保ローンはある?おすすめのローンをランキング形式で紹介

「収入が少ないが、開業に向けて資金を準備したい」
「できるだけ早く高額の融資を受けたい」

 

このような希望があって、担保にできる不動産を持っている方はいませんか?

 

不動産担保ローンは無担保ローンと違い、利用者の返済能力が低くても担保の価値が加味されて融資が受けられる場合があります。

 

担保次第で高額な融資を受けることもでき、ノンバンクなら比較的スピーディな融資を受けることも可能です。

 

本記事では、不動産担保ローンの概要や、おすすめできる不動産担保ローンを紹介します。

 

目次

 

不動産担保ローンは高額融資が可能なローンの一つ

不動産担保ローンは、文字どおり不動産を担保にしてお金を借りるローンのことです。

 

申込者本人が所有するものはもちろん、その家族が保有する土地・家・アパート・マンション・店舗などを担保に差し出すことができます。

 

無担保よりも金融機関からの信用を得やすくなり、より低金利かつ高額の融資を受けられる点が特徴です。

 

ただ、ひとくちに「不動産担保ローン」といっても、提供する金融機関によって商品の内容や強みが異なります。

 

これから、おすすめの不動産担保ローンについて詳しく紹介していくので、自身の希望にマッチしたローンを探してみてください。

 

審査が甘い?おすすめの不動産担保ローン10選

不動産担保ローンを探す際、「審査が甘いローン」が気になる人は多いのではないでしょうか?

 

残念ながら、不動産担保ローンの審査が甘い・簡単と断言することはできません。ただ、サービスの充実度や金利設定などから考えられる、「おすすめの不動産担保ローン」はあります。

 

数あるなかでもおすすめできる10の不動産担保ローンを紹介していきましょう。

 

1.セゾンファンデックスは銀行とは異なる審査基準による審査が受けられる

セゾンファンデックスの不動産担保ローンは、銀行でローンを借りられない時の選択肢として利用できる事業者向けの不動産担保ローンです。

 

銀行とは異なる審査基準が用意されているため、銀行のローン審査で落ちてしまった人でも審査を通過できる可能性があります。融資スピードも最短3日と大変スピーディであるため、急いで融資を受けたい場合におすすめです。

 

東証プライム上場企業の「クレディセゾン」が100%出資するグループ会社であることから、「大手を利用する安心感」を得たい人にも有力な選択肢になるでしょう。

 

融資対象

法人・個人事業主
※個人事業主は申込時に満20歳~70歳、完済時85歳未満の年齢制限あり

融資までのスピード 最短3日で本審査まで完了
金利(実質年率)

・変動金利:2.75%~4.55%(2023年4月時点)
・固定金利:4.5%~9.9%
※実質年率15.0%以内

利用限度額 100万円~5億円
返済期間 5~25年
公式サイト セゾンファンデックス

 

2.東京スター銀行は最高1億円の融資に対応

東京スター銀行の不動産担保ローンは、最高1億円の融資にも対応した銀行系ローンです。

 

事業者以外に個人への融資に対応しており、「ローンの返済をまとめたい」「子供の教育費用に使う」「相続税の納付に使う」など、さまざまな目的に活用できます。

 

固定金利と変動金利の設定がありますが、変動金利は「0.85%~7.85%」と、他の不動産担保ローンや銀行と比較しても低い金利設定になっています。将来的に金利が上昇するリスクはありますが、固定金利よりも低金利で返済したいならぜひ検討したい魅力的な金利水準です。

 

返済期限は最長30年、限度額は最大1億円と、十分な金額を融資してもらいつつ、長期での返済も可能になっています。

 

融資対象

以下の条件を満たす方
・日本国籍の方、または外国籍で永住権をお持ちの方で国内居住の個人
・年収が200万円以上
・申込時の年齢が「満20歳~69歳」、かつ完済時の年齢が84歳以下
・インターネット・郵送契約を希望するケースで、インターネットによる手続きを利用できる方
・その他、所定の審査基準を満たしている

融資までのスピード 記載なし
金利(実質年率)

・変動金利:0.85%~7.85%
・固定金利:1.50%~9.10%

利用限度額 100万円~1億円(10万円単位)
返済期間 1年以上30年以内
公式サイト 東京スター銀行

 

3.関西みらい銀行は上限金利が10%を下回るフリーローン

関西みらい銀行では、不動産担保型のフリーローンを取り扱っています。

 

「証書貸付」に該当するため借入できるのは1回きりであり、カードローンと違って限度額の範囲内で自由に借入することはできません。その代わり、返済を進めるごとに確実に借入残高を減らすことができます。

 

金利は「1.9~9.8%」と低金利で、10%を下回る金利設定でローンを組むことができます。年齢や安定収入等の条件を満たすことで個人向けとして融資を受けることもできるため、数千万円単位のまとまった金額を借りたい個人の方にもおすすめできます。もちろん、事業性資金の融資を受けることも可能です(法人への転貸資金を除く)。

 

融資対象

以下の条件を満たす方
・申込時の年齢が「満20歳~70歳」で、最終返済時に満86歳未満の方
・継続した安定収入のある方
・所定の保証会社の保証を受けられる方
・事業資金での利用のケースで、取扱店の営業区域内に居住または営業している方

融資までのスピード 記載なし
金利(実質年率)

・変動金利:1.9~3.9% ※2024年2月現在
・固定金利:4.9~9.8%

利用限度額 100万円~1億円
返済期間 12ヶ月以上30年以内
公式サイト 関西みらい銀行

 

4.中央リテールはおまとめローン専門業者の不動産担保ローン

中央リテールは、中小の消費者金融のなかでも、「おまとめローン」を中心に取り扱っている業者です。

 

無担保のおまとめローンでは最高500万円までしか融資を受けることができませんが、不動産担保ローンなら最高3,000万円の融資を受けることもできます。

 

担保の審査が必要であるため即日融資はできませんが、最短4日で融資を受けることも可能です。不動産担保ローンは審査スピードが明言されていないケースが多い中、最短4日で融資を受けられるというのは急いでいる人にとっては嬉しいサービスでしょう。

 

ただし、無担保と同じく返済期間の上限が10年であるため、毎月の返済額が高額になりすぎないか確認したうえで申し込みましょう。

 

融資対象 最短4日
融資までのスピード 最短4日
金利(実質年率) 8.2%~9.8%
利用限度額 最高3,000万円
返済期間 最長10年
公式サイト 中央リテール

 

5.AGビジネスサポートはアイフルが提供しているビジネスローン

AGビジネスサポートは、以前は「アイフルビジネスファイナンス」と呼ばれていた貸金業者です。

 

不動産担保ローンの融資までのスピードが非常に速い点に特徴があり、簡易診断は最短1日とスピーディで、最短3日で融資まで進めてもらうこともできます。

 

法人・個人事業主向けの不動産担保ローンは特に融資額が大きく、最高で5億円の融資にも対応しています。

 

担保物件の所有者や抵当順位が問われないこともあって、すでに抵当権が設定された物件を利用できる点もメリットです。

 

事業性融資の成約数が年間3,000件以上もあるため、「大手で安心して借りたい」という方にもおすすめでしょう。

 

融資対象 法人・個人事業主
融資までのスピード 最短3日
金利(実質年率) 2.49%〜11.9%
利用限度額 100万円~5億円
返済期間

元金一括返済:最長2年
元利均等返済:最長30年

公式サイト AGビジネスサポート

 

6.つばさコーポレーションは不動産に関連したローンの選択肢が多い

つばさコーポレーションの不動産担保ローンは、個人向けと法人・個人事業主向けに分かれています。

 

法人や個人事業主向けのローンは「不動産ビジネスローン」です。最長30年の長期返済に対応しており、毎月の返済負担を抑えながら確実に返済を進めたい方におすすめできます。

 

利用使途も原則自由であり、ビジネスのさまざまな場面で融資を必要としている方に向いているでしょう。

 

「売却つなぎローン」「不動産購入ローン」など、不動産にまつわる他のローンも扱っているため、気になる方は一度目を通してみてはいかがでしょうか?

 

融資対象 個人・個人事業主・法人
融資までのスピード 最短即日~1週間
金利(実質年率)

4.0%~15.0%
※実質年率15.0%以下

利用限度額
返済期間 最長30年
公式サイト つばさコーポレーション

 

7.マテリアライズは最短翌日の融資に対応

マテリアライズの不動産担保ローンは、最短翌日の融資にも対応しているローンです。

 

通常、不動産担保ローンは申込者の信用や返済能力と担保価値の両方を審査することになるため、どうしても無担保ローンよりも時間がかかります。

 

最短でも3日程度の審査時間がかかる企業が多い中、最短翌日は非常にスピーディといえるでしょう。

 

担保にする不動産についても「持ち分調整区域他人名義OK」になっており、他社で断られる物件でも柔軟な融資を受けられる可能性があります。

 

LINEによる問い合わせにも対応しているため、メールや電話での問い合わせが面倒に感じている人でも気軽に質問事項を相談できるでしょう。

 

融資対象 記載なし
融資までのスピード 最短翌日
金利(実質年率)

5.0%~15.0%
※実質年率15.0%以下

利用限度額 100万円~1億円
返済期間 1ヶ月~20年
公式サイト マテリアライズ

 

8.楽天不動産担保ローンは複数不動産での担保も可能

楽天銀行が提供している不動産担保ローンは、担保について柔軟な対応が期待できる不動産担保ローンです。本人以外に親族名義の担保提供も可能で、複数の不動産を担保にすることもできます。

 

金利は上限9.75%と低金利で、返済期間も最長25年と十分な期間が用意されています。担保価値に余力さえあれば、住宅ローンからの乗り換えにも利用することが可能です。

 

また、繰り上げ返済手数料が無料なのもメリットです。お金に余裕ができたタイミングで返済を進めることで、どんどん利息負担を減らすことができます。

 

ただし、借り入れまで最短でも3週間程度の時間が必要であり、スピーディな融資には対応していません。

 

楽天の不動産担保ローンを利用するなら、余裕をもって早めに申し込むことをおすすめします。

 

融資対象

以下の条件を満たす方
・借入時の年齢が「満20歳以上70歳未満」で、完済時年齢が満80歳未満
・日本国籍を持つ、または永住の許可等を受けている外国人
・継続した安定収入がある人

融資までのスピード 仮申込から借入実行まで3週間から1ヵ月程度
金利(実質年率) 年1.11%~年9.87% ※2024年2月度適用金利
利用限度額 100万円以上~1億円未満
返済期間

いずれか短いほうの期間
(1)1年以上、25年以内(1ヶ月単位)
(2)完済時年齢が「満80歳」となるまでの期間

公式サイト 楽天不動産担保ローン

 

9.アサックスは最短3営業日で融資を受けられる

アサックスの不動産担保ローンは、簡易審査なら最短即日、融資まで最短3営業日で完了する不動産担保ローンです。融資まで数日~数週間を要する不動産担保ローンが多い中、アサックスのローンならスピーディに融資まで進められます。

 

上限金利が6.9%と低い設定であることも魅力で、金利の低さを重視したい人におすすめです。2023年5月6日現在は事業者向けの優遇利率も適用があり、1.9~4.8%の金利設定にも対応しています。

 

サポート体制も優秀で、申込から融資、アフターフォローまで専属の担当者がサポートしてくれます。

 

融資対象 法人・個人事業主
融資までのスピード 最短3営業日
金利(実質年率)

1.95%~6.90%
※実質年率15.0%以下

利用限度額 300万円~10億円
返済期間

・元金一括返済:期間3ヶ月~30年
・元利均等返済:期間12ヶ月~30年

公式サイト アサックス

 

10.日宝は43年の信頼と実績のある貸金業者

日宝は不動産担保ローンに関して43年の歴史と実績がある貸金業者です。「多様化するお客様のニーズに迅速・適確・誠実にお応え致します」と公式サイトに書かれており、初めて不動産担保ローンを利用する方でも安心して借入できるでしょう。

 

融資額も最大5億円と多く、資金使途にも原則として制限はありません。4.0%~9.9%の金利設定もあって、毎月の返済額を減らしたい人におすすめです。

 

融資対象 個人・法人
融資までのスピード 記載なし
金利(実質年率) 4.0%~9.9%
利用限度額 50万円~5億円
返済期間 1ヶ月~30年
公式サイト 日宝

 

無担保ではなく不動産を担保にするメリット

 

不動産担保ローンは担保として土地などの不動産を提供する代わりに、さまざまなメリットを享受できます。

 

ここからは、無担保のローンにはない不動産担保ローンのメリットを見ていきましょう。

 

無担保よりも低金利で借りることができる

不動産を担保にすることで、無担保ローンよりも低金利で借りられるメリットがあります。

 

これは、不動産を担保にすることによって、万が一返済不能になった際に担保を売却してカバーできるためです。

 

不動産担保ローンの種類によっては、最高金利が10%を下回るケースもあります。

 

低金利の不動産担保ローンを利用すれば、無担保ローンと比べて毎月の利息負担を軽減できるでしょう。

 

借入限度額を大きめに設定できる

無担保のカードローンやビジネスローンの場合、融資限度額は最大でも500万円~1,000万円程度です。

 

それに対し、不動産担保ローンでは1億円以上の融資を受けることが可能です。

 

万が一返済できないときは担保の不動産を売却することで損失を回避できるため、銀行や金融機関としても大きな融資ができるようになります。

 

長期間にわたって借りられる

不動産担保ローンでは、返済期間を20~30年間といった長期の設定にすることが可能です。

 

最長で30年以上のローンを組むことができる金融機関もあり、長期で契約するほど毎月の返済金額を安く抑えることができます。

 

ただし、返済期間が長引くほど、トータルでの利息負担が大きくなってしまうため注意が必要です。

 

家族が所有する不動産も利用できる

不動産担保ローンでは、自分が所有する不動産はもちろん、家族や親族が所有する不動産でも担保に設定することが可能です。

 

Q.【不動産担保ローン】親族が所有している不動産を担保にして申込できますか
A.本人の親族(三親等以内)所有の不動産であれば、お申込可能です。
引用元:楽天銀行|不動産担保ローン

 

3親等以内というのは、以下の関係の人を指します。

  • 1親等:父・母・子ども
  • 2親等:孫・祖父母・兄弟姉妹
  • 3親等:曾祖父・曾祖母・おじ・おば・おい・めい

ただ、当然のことではありますが、他人名義の不動産を担保にする場合は、所有者の同意書の提出が必要になります。

 

不動産を担保にすることのデメリット

 

無担保のローンよりも「低金利で利用できる」「借入限度額が大きい」「長期間にわたる借入が可能」など、基本的な待遇の良さが魅力的な不動産担保ローン。

 

ただし、これから紹介するようなデメリットがあることも知っておきましょう。

 

返済できない場合は担保の不動産を失う

不動産担保ローンを返済できなくなると、担保にした不動産を失うことになるため注意が必要です。

 

不動産担保ローンを利用する際は、債権者である金融機関・消費者金融が、担保になる不動産に「抵当権」などの担保権を設定します。

 

万が一返済できずに「返済不能」になった際は一般市場で担保の不動産を売却する(任意売却)か、裁判所の権限で強制的に差し押さえて売却する「競売」が行われます。

 

不動産担保ローンを使う以上は当然のことではありますが、返済できない場合には不動産を失うことを理解したうえで、確実に返済義務を果たしましょう。

 

融資までに時間を要することが多い

無担保で借入できるカードローンの場合、審査をするのは「属性情報」「信用」など、本人の返済能力に関する項目のみです。

 

スコアリング審査によって申込者の信用や返済能力が審査時に数値化されるため、申し込んで30分以内に審査を終えて契約まで進めることも可能です。

 

対する不動産担保ローンは不動産を担保にする特性上、申込者の返済能力の審査に加えて、審査の過程で「不動産の価値評価」が絶対に必要になります。

 

スピーディに融資してくれることで知られるノンバンクであっても、不動産の審査がある分だけ審査に時間がかかることは理解しておきましょう。

 

審査にかかる時間は担保にする不動産によっても異なりますが、1週間以上の時間がかかるケースもあります。

 

手続きに必要な書類が多くなる

無担保ローンの場合、必要になるのは、申込者本人に関する書類のみです。具体的には、本人確認書類と(融資額が一定以上に限り)収入証明書類を提出すれば審査を受けることができます。

 

一方、不動産担保ローンの審査で必要になる書類は、無担保ローンと比べて多岐に渡ります。

 

【不動産担保ローンで提出を求められる書類の例】

  • 本人確認書類
  • 収入証明書類
  • 印鑑証明書
  • 不動産登記簿謄本
  • 固定資産税納付書
  • 商業登記謄本 など

また、申し込む人が「個人」「自営業者」「法人」のいずれに該当するかで必要になる書類が異なる場合もあります。

 

提出を求められる書類の中にはすぐに用意できず、提出まで時間を要するものもあります。

 

提出が遅れるほど審査結果が出るのも遅くなるため、早く融資を受けたいなら事前に必要書類を準備しておきましょう。

 

審査がない・甘い不動産担保ローンは存在しない

不動産担保ローンを探している人のなかには「審査がない不動産担保ローンを探したい」「審査が甘い不動産担保ローンで契約したい」と思っている人もいるのではないでしょうか?

 

結論から言ってしまうと、「審査がない不動産担保ローン」はありません。不動産さえ担保にすれば審査なしで借入できる、というのは大きな勘違いです。

 

各個人が所有する不動産によって担保価値が異なります。また、申込者によって返済能力が異なることを考えても、審査によって返済能力をチェックすることは必須です。

 

また、審査が甘いと断言できる不動産担保ローンもありません。

 

審査を甘くしてしまうと、返済能力がない人に融資をすることになってしまうためです。

 

柔軟に審査をしてくれる不動産担保ローンの条件とは

 

不動産担保ローンの審査基準は公開されていないため、審査が甘いと断言することは難しいというのが現実です。

 

ただ、それぞれの不動産担保ローンの商品内容や条件によって、審査が厳しい傾向にあるか否かを判断することはできます。

 

ここからは、不動産担保ローンの中でも審査が柔軟に行われる傾向にあるローンの特徴を紹介しましょう。

 

金利が高い

一般的に、金利が高いローンほど審査が柔軟に行われる傾向があります。金利が高ければ金融機関は同じ貸付金額・期間でより多くの利息を得ることができ、万が一返済できなくなった場合のリスクヘッジになっているためです。

 

逆に金利が低いほど金融機関としては手に入る利息収入が少なくなるため、貸し倒れが発生しないように慎重に審査をする必要があります。

 

「絶対に審査を通過したい」と考えているなら、あえて金利が高めの不動産担保ローンを選択することも選択肢の1つです。

 

銀行以外の金融機関である

不動産担保ローンを提供している業者には、大きく分けて「銀行」「ノンバンク(消費者金融)」の2種類があります。

 

できるだけ審査通過率を高めるなら、ノンバンク(消費者金融)の不動産担保ローンを選択しましょう。

 

銀行のローンは消費者金融よりも低金利で利用できるケースが多いですが、前章で解説したとおり、低金利な分だけ慎重に審査されることが考えられます。

 

また、消費者金融は銀行のように、お金を利用者から預かって運用する「預金業務」は行っていません。

 

利用者にお金を貸し出す「与信業務」がメインであるということは、お金を科さないと利益を得ることができません。

 

与信業務を積極的に行う=審査が柔軟に行われる傾向にあると考えることができるわけです。

 

不動産の条件が厳しくない

担保にする不動産の条件が厳しい不動産担保ローンでは、そもそも担保を確保することが難しくなってしまいます。

 

一方、不動産担保ローンの中には、以下のように柔軟な条件で担保にできる場合があります。

 

【担保にする不動産の条件が緩いケース】

  • 借地権付きでもOK
  • 調整区域でもOK
  • 二番順位以降の抵当権でもOK など

銀行の場合、これらの緩い条件は設定されていないことが一般的です、

 

担保不動産の条件に不安がある方は、ノンバンクの不動産担保ローンを中心に探してみてはいかがでしょうか。

 

不動産担保ローンの審査に落ちる人の特徴

不動産担保ローンでは所有する不動産を担保にしますが、だからといって絶対に融資を受けられると決まったわけではありません。

 

これから紹介する特徴に当てはまる人の場合、審査落ちになる可能性もあります。

 

返済能力が十分ではない

不動産担保ローンは不動産を担保としますが、申込者に安定した収入がなくても借りられる、というわけではありません。

 

「申込者に安定した収入があって、融資後に間違いなく返済してくれる」と金融機関が判断すれば、審査通過の可能性が高くなるのは無担保ローンと変わりません。

 

一方、不動産を担保にしても、申込者の返済能力に不安があれば審査落ちの可能性はあります。

 

信用情報に問題がある

金融機関は、申込者が過去にローン商品などを利用して借り入れをした際の返済履歴を「信用情報機関」を通じて調査することができます。

 

調査の中で以下のような「異動情報」の記録が残っていると、審査通過で不利になることがあります。

 

【審査に影響を与える「異動情報」の例】

  • 延滞・遅延:約定返済日から一定期間を過ぎても返済できていない
  • 代位弁済:本人の返済不能により、代わりに保証会社や連帯保証人が返済をした
  • 強制解約:返済能力が認められず、クレジットカード等の強制解約を受けた
  • 債務整理:任意整理・個人再生・自己破産・特定調停など、借金の返済が不能になった、あるいは過払い金を請求した

「延滞をしたことがあったけど、まだ記録に残っているか分からない」という場合は、一度信用情報を開示してみると良いでしょう。

 

上記の記録は最長5年(自己破産は最長10年)にわたって残り続けます。まだ記録が残っていれば、審査通過は大変難しくなるでしょう。

 

申し込みの書類に不備や虚偽の記載がある

不動産担保ローンの申込時には申込フォームに情報を入力することになりますが、この時に「入力の間違い・不備」がないように細心の注意が必要です。

 

申込内容に不備や間違いがあると返済能力の有無を確認できません。電話などで不備や入力ミスについて正しい情報を確認してくれることもありますが、金融機関によっては確認なしで審査落ちになる可能性も否定できません。

 

また、審査を通過したいばかりに「虚偽の記載」をした場合は、間違いなく審査落ちになります。提出書類との情報の違いや信用情報から、嘘の申告であることはすぐに見抜かれるでしょう。

 

融資する側は貸したお金を利息と一緒に確実に回収する必要があるため、嘘をつく信用ならない人に融資をしてくれません。

 

他社ですでに借入している金額が多い

他社で借りている金額が多いと審査落ちの可能性が高まります。

 

他社借り入れが多いほど年収に占める返済額(返済比率)が高くなり、返済不能になるリスクが高まるためです。

 

他社からの借入があれば審査に落ちると決まっているわけではありませんが、少ないに越したことはありません。

 

「不動産を担保にするから」と安心せず、他社で借りているお金は少しでも返済を進めておきましょう。

 

複数社に同時申し込みをしている

「1社目の審査に落ちたときの保険にしたい」と複数社への申し込みを検討している方もいるかもしれませんが、おすすめできません。

 

複数の会社に申し込んでいる事実が審査担当者に知られると「他の金融機関で借りられない理由があるのではないか?」「複数の会社に同時申し込みするほどお金に困っているのか」といったように不信感を与え、審査落ちにつながります。

 

不動産担保ローンに申し込む際は、可能な限り1社ずつ、多くても2社程度に留めておきましょう。それ以外に融資を申し込むなら、最初の1~2社目の結果が出てからにしたほうが賢明です。

 

不動産担保ローンの審査に落ちないためのコツ・ポイント

不動産を担保にすることで信用を確保できるといっても、審査に通る人ばかりではありません。なかには、審査落ちする人もいます。

 

ここからは「絶対にローンの審査を通過して融資を受けたい方」に向けて、審査に落ちないためのコツ・ポイントを紹介します。

 

「これさえやれば絶対に審査を通過できる」という対策はありませんが、審査されるであろう項目を1つずつ見直していくことで、審査通過に近づくことはできるでしょう。

 

年収や勤続年数などの属性を見直す

不動産担保ローンに限った話ではありませんが、金融商品の審査で必ずチェックされるのが「収入の安定性」です。

 

安定した年収を長期間得ている人であれば審査を通過する可能性は高くなるでしょう。

 

そのためにも、収入を少しでも上げること、勤続年数を少しでも長くすることを心がけましょう。

 

ただ、不動産担保ローンは担保があるため、無担保ローンほど高年収は求められない可能性もあります。

 

年収の高さよりも安定性のほうが大切になってくるでしょう。

 

自分の属性で審査通過できるか分からない場合は、金融機関で提供されている簡易審査を受けてみることをおすすめします。

 

担保不動産の対象エリアを見直す

担保にする不動産が、不動産担保ローンの融資対象エリアにあるかどうかは非常に重要です。

 

融資対象エリアの外にある不動産の場合、まず審査には通過できないでしょう。

 

融資対象エリアは金融機関によって異なるため、審査に申し込む前に必ず確認が必要です。

 

担保にしようとしている不動産が郊外にある場合、よく注意して担保の条件を確認しましょう。

 

住宅ローンが残っていないことをチェックする

不動産担保ローンの審査では、自宅の住宅ローンの残額がいくら残っているかも重要になってきます。

 

住宅ローンの残額は「既存借入」として計算されてしまうため、「住宅ローン残高+不動産担保ローンの借り入れ希望額の合計」が担保不動産の価値を上回ってしまうと審査に落ちることになるでしょう。

 

あるいは審査を通過したとしても、上回った分は融資を受けられない可能性もあります。

 

不動産の価値が高い物件を選ぶ

不動産担保ローンは、担保にする不動産の価値によって、審査通過のハードルが全く変わってきます。

 

担保になる不動産の価値が高いほど審査のハードルは高くなり、希望金額を借入できる可能性は高まるでしょう。

 

金融機関によっても異なりますが、不動産担保ローンで融資を受けられるのは一般的に「担保の不動産評価額の60~80%くらい」です。

 

銀行の審査落ちが心配ならノンバンクの不動産担保ローンを検討する

一般的には、金利の低い銀行のローンよりも、ノンバンクのほうが融資を受けやすい傾向があるとされています。

 

ノンバンクでは返済能力よりも不動産の価値が重要視されることが多いため、申込者に返済能力があると認められない場合でも、担保次第で融資を受けられる可能性はあります、

 

他社からの借入が多かったり過去に返済延滞をしたりといった心配がある人でも、柔軟な審査を受けられるでしょう。

 

あえて金利が高めの不動産担保ローンも選択肢に入れておく

どうしても融資を受けたい場合、あえて金利の高い不動産担保ローンを選択することも1つの選択肢です。

 

金利が低いほど貸し倒れの際に銀行が損をするリスクが高まるため、どうしても審査を厳しくする必要があります。

 

ノンバンクは金利が高めである一方、与信業務によって利益を得ていることもあって積極的に融資してもらえる可能性があります。

 

ただし、金利が高いほど返済時の利息負担が厳しくなります。

 

自身が毎月返済していくのに問題ない金利設定なのかどうかは、事前に返済シミュレーションなどを利用して確認してみましょう。

 

審査を通過することばかりを優先して、いざ返済が始まったときに「返済金額が高くて返済できない……」となってしまうのは本末転倒です。

 

不動産担保ローンの審査に落ちた場合の対処法

審査に落ちないコツ・ポイントを把握して事前準備を綿密に進めたとしても、審査落ちする可能性はもちろんあります。

 

審査に落ちてしまって、それでもお金を借りたいなら、これから紹介する次善策を実施してみてください。

 

不動産担保ローン以外の資金調達方法を考える

不動産担保ローンの審査に落ちてしまった場合、思い切って別のローンに申し込むことも選択肢の1つです。

 

たとえば、シニア~高齢者を融資対象にしたリバースモーゲージローンは、「リバース=逆」「モーゲージ=抵当・抵当権」という意味で、最初にお金を借入した残高を最後にまとめて返済するのが特徴です。

 

【リバースモーゲージローンとは】
自宅を担保に生活資金を借り入れるローンのこと。
自分の持ち家に継続して住み続けることができ、契約者が死亡したときに担保となっていた不動産を売却することで借入金を返済する

 

金融機関が取り扱うリバースモーゲージは一般的なローンとは違い、毎月の支払いは「利息のみ」です。老後生活中の支出を減らすことができるメリットがあります。

 

ただし、生存中に土地・建物の価値が下落した場合、融資限度額の見直しがされ、それ以上借りられなくなる可能性もあります。

 

また、リバースモーゲージローンは一般的に変動金利のみのため、金利変動リスクがあります。金利が上昇して返済額が増えてしまうリスクがある点には注意が必要です。

 

別の不動産担保ローンに申し込んでみる

不動産担保ローンの審査に落ちたのが1社目であれば、申込する金融機関・消費者金融を変更して再度申し込みすることも選択肢の1つです。

 

金融機関・消費者金融ごとに審査基準が異なるため、1社目で審査落ちしても2社目ではすんなり審査通過できることも珍しくありません。

 

ただし、「審査落ちが怖いから」と一気に何社にも同時に申し込むことは避けましょう。

 

金融機関に審査の申し込みをした記録は向こう半年間にわたって記録されるため、何社にも同時申し込みをすると「お金に困っている」と判断されて審査で不利に働く場合があります。

 

担保にする不動産を見直す

審査落ちした際に担保にした不動産よりも価値の高い不動産を所有している場合は、担保にする不動産をそちらに切り替えて再度審査を受けることも考えましょう、

 

不動産担保ローンの審査では、担保として差し出す不動産の価値によって、結果が異なる場合もあります。

 

また、不動産担保ローンの審査は不動産価値の総額で審査されるため、複数の不動産を担保にするという方法も有効です。

 

ただし、返済不能になった場合は担保にした不動産を丸ごと失うリスクがあるため、絶対に返済できることを確信してから融資を受けるようにしてください。

 

審査が甘い不動産担保ローンに関するよくある質問

最後に、不動産担保ローンに関してよくある質問と回答をまとめました。

 

不動産担保ローンで即日融資はできますか?

不動産担保ローンの提供元が「銀行」か、「ノンバンク(消費者金融)」かによって、即日融資が可能かどうかは変わります。

 

ノンバンクの不動産担保ローンの種類によっては、最短即日で融資を受けることも可能です。一方、銀行の場合は即日融資を受けることができない仕組みになっています。

 

ただし、ノンバンクのローンでも「審査対応時間を超えた受付」だったり、「間違いや不備がある申込内容」だったりした場合は、審査回答が翌営業日以降までずれこむことがあります。

 

急いで借入したい場合は、申込内容に不備や間違いのないようにすることを心がけましょう。

 

不動産担保ローンの「第二抵当」って何?

抵当権は登記をした順に権利の優先順位があります。たとえば1番目に登記した抵当権は「第一抵当権」です。第二抵当権は、第二位順位の抵当権のことを指します。

 

抵当権は第一順位から優先してお金を回収できる仕組みであり、第二抵当権では第一位の会社が回収して余ったお金しか手に入りません。

 

よって、基本的に金融機関は第二抵当権での契約を避ける傾向にあります。

 

まとめ

不動産担保ローンは、利用者の返済能力と担保価値の両方が審査されるため、利用者の年収が低くても担保次第で高額な融資を受けることも可能です。

 

ただし、担保さえあれば誰でも審査を受けられるわけではなく、審査が甘いと断言することはできません。

 

「返済能力」「信用情報」「他社借入額」「担保の価値」など審査される項目を理解し、審査落ちになるポイントに注意しながら申込手続きをしましょう。